32歳女 宝くじを口実にしたかった父

専業主婦をしている32歳の女です。まだ結婚前で実家に身を寄せている時に、父親がドリームジャンボ宝くじの話をしていた。「うちはもう30年以上買ってるんだから、宝くじが当たってもいいはずだ」と言い始めた。高額当選する人たちは長く買い続けている人が多いと父は言った。30年以上買っているのに、未だに1万円以上当たったことのない父。60歳の定年を迎えてから家で暇そうにしていた。語っているうちに自分で盛り上がってしまったのか、年末のドリームジャンボ宝くじに退職金を10万円ほどつぎ込もうとしていた。「今度はよく当たるところで買えばいい」と、わざわざ新潟から新宿まで宝くじを買いに行く。近くの神社で当たるようにお参りをしてから、新幹線代を払い、ビールを飲みながら東京へ向かった。新宿までたどり着いて件の宝くじ売り場で10万円分の宝くじを買う。帰りに疲れたと言い始めて、ビジネスホテルに泊まったりしてきた。どうせ宝くじに当たるのだから、すこしくらい豪遊しても構わないと、夜も酒を飲んだ。新宿のスナックの名刺も出てきたので10万円は使ってきただろうと思う。そんな中で結果発表を受けたが、なんと、相変わらず1万円程度の当選金額でしかなかった。新聞を読み返し、読み返し。大量の束になった宝くじたちをひとつひとつ丁寧に見ていく。なぜかバラで買い込んだので、一つ一つ見ていくしかない。無駄に折り重なっていく紙切れたち。たまに300円だ!という嬉しそうな父の声が響く。結局いくらお金をつぎ込んでも、当たる人は当たるし、当たらない人は当たらないのだと思った。
父はある意味、宝くじを楽しんだんだと思う。宝くじにかこつけて、定年後の暇を東京行脚に変えてしまった。何かの口実として宝くじを利用して、それで楽しむんであれば問題はないんだろう。でもそこにつぎ込むお金のない私には宝くじは縁が遠いものだと思うしかない。自分が宝くじを買わない理由はお金は自分の好きに使いたいからだ。